イタリアは、元愛人を顧問に任命したスキャンダルで辞任した前任のジェンナーロ・サンジュリアーノ氏の後任として、ローマの現代美術館マクシィのアレッサンドロ・ジュリ館長を新文化大臣に任命した。任命を発表したジョルジャ・メローニ首相は、ジュリ氏が右派政策に沿って「国民文化の復活」を目指す政府の取り組みを継続すると強調した。元ジャーナリストでメローニ首相の側近であるジュリ氏は、ネオファシスト団体メリディアーノ・ゼロのメンバーであり、イタリア社会運動にも関与するなど、極右の経歴を持つ。美術館経営の経験は限られているが、ジュリ氏は2022年にマクシィ財団の理事長に任命されたが、この役職は、特に元文化次官による性差別発言の際に介入できなかったことなど、物議を醸している。一方、在任中に美術館の来館者数の増加を誇りにしていたサンジュリアーノ氏は、公金の不正使用や個人的な論争で批判にさらされ、辞任に至った。ジュリ氏の任命は、メローニ政権がイタリアの文化部門の再編を続け、これまでの左派の影響に異議を唱え、J・R・R・トールキンの展覧会などのプロジェクトを支援している中で行われた。